快速復活が検討されている神戸市営地下鉄
https://www.sankei.com/images/news/180920/wst1809200007-p1.jpg

 神戸市が、市西部と中心部の三宮や新神戸を結ぶ市営地下鉄西神・山手線で、平成7(1995)年の阪神大震災以降運行を取りやめていた快速電車の復活を検討していることが19日、分かった。待避駅の改修工事などに数百億円規模の投資が必要だが、将来的な阪急電鉄との相互直通運転を視野に入れている。

 同線は震災前の5年7月から午前10時〜午後5時に限って快速電車を運行。西神中央駅から新幹線と接続する新神戸駅まで通常32分の所要時間を26分に短縮して結んでいた。しかし、普通を追い抜く待避駅が名谷しかなく、本数の多い朝夕のラッシュ時に運行できないことから、震災後に運行を停止した。

 市の案では、新たな待避駅を設けるために上沢など複数の駅施設を拡張。早ければ31年(2019)度にも沿線需要や工事費の本格調査を行い、5年後の実現を目指す。

 快速復活の先には、市営地下鉄と阪急神戸線の相互直通運転を見据えている。直通運転の計画は16年に国土交通省の審議会で答申されており、三宮付近で接続して西神中央駅から阪急梅田駅まで直通させる。

 市は巨額の費用負担を理由に当初は消極的だったが、26年から阪急側と実務者レベルでの意見交換を繰り返しており、29年10月の市長選で久元喜造市長が公約に盛り込んだことで協議が加速している。

 総事業費は1千億円超が見込まれ着工時期は未定だが、兵庫県の井戸敏三知事も県議会で「住民の利便性が向上し、定住人口の増加が期待できる」と述べて、支援する意向を示している。

2018.9.20 07:20
産経WEST
https://www.sankei.com/west/news/180920/wst1809200007-n1.html