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2016/04/28
フィンランドの乳児用液体ミルクを熊本の被災地へ

熊本を中心とした一連の地震と自然災害に対し、フィンランドから緊急支援物資として液体ミルクが送り届けられた。マヌ・ヴィルタモ駐日フィンランド大使は4月27日、日本フィンランド友好議員連盟の小池百合子会長とともに熊本を訪れ、蒲島郁夫 熊本県知事に直接液体ミルクを手渡した。

今回の液体ミルクプロジェクトは、日本フィンランド友好議員連盟のイニシアチブによるもの。同連盟から連絡を受けた両国の企業が迅速に対応し、短期間で実現させた。乳製品メーカーのヴァリオ社が液体ミルク「トゥーティ」を5190パック提供し、同社工場からヘルシンキ空港まではニエミ社が輸送を請け負い、ヘルシンキ空港から成田空港まではフィンランド航空、また羽田空港から熊本空港までを日本航空が運んだ。これらの商品やサービスは、4月14日から続く一連の地震や自然災害に苦しむ被災地の一日も早い復興を願って、すべて無償で提供された。

4月27日に熊本入りしたヴィルタモ大使と小池会長は、まず熊本県庁を訪問。蒲島県知事と熊本県選出の金子恭之議員(自民党)は、液体ミルクを喜んで受け入れ、必要とされる場所に配布すると約束した。液体ミルクの贈呈式は同県庁と、西原村にある阿蘇こうのとり保育園でも行われた。ヴィルタモ大使は液体ミルクとともに、バッグに忍ばせたムーミンのぬいぐるみも園児たちに手渡した。「この美しい土地が甚大な被害をこうむり、多くの人々が大変な生活を余儀なくされていることに心が痛みます。犠牲者となった方々や、その家族の皆様に心よりお悔やみ申しあげます」と述べた大使は、東京に赴任後まもなく訪れた熊本県の美しさに心を打たれた思い出にも言及。「この小さな行為が熊本の赤ちゃんの栄養源となるばかりか、遠い北欧の国も被災者の方々を決して忘れてはいないというメッセージになることを心より願っています」

フィンランドの液体ミルクは、東日本大震災が起きた2011年、フィンランドに住む日本人の母親たちの発案で東北の被災地に送られ、重宝された。日本にはお湯を必要とする粉ミルクしか販売されておらず、水不足に見舞われる被災地では、まだミルクしか飲めない乳児がいる家庭にとってとくに深刻な問題となる。東日本大震災の際に支援した小池議員が液体ミルクのことを思い出し、日本フィンランド友好議員連盟の現会長として多方面に協力を呼び掛けた。

http://www.finland.or.jp/public/default.aspx?contentid=345587
フィンランド大使館 東京