離島の防衛を目的にした陸上自衛隊とアメリカ海兵隊による日米共同の戦闘訓練が、自衛隊の演習場以外で初めて鹿児島県の種子島で行われ、14日訓練の様子が公開されました。

陸上自衛隊とアメリカ海兵隊による水陸両用作戦の共同訓練は、種子島の中種子町にある空港の跡地や近くの海岸などで今月5日から実施されており、14日は住民や報道関係者らに訓練の様子が公開されました。

訓練は占領された離島を奪還するという想定で行われ、陸上自衛隊の水陸機動団などのおよそ220人と、アメリカ海兵隊のおよそ10人が参加しました。

日米共同の戦闘訓練が自衛隊の演習場以外で行われるのは初めてで、水陸両用作戦の日米共同の訓練も国内では初めてです。隊員たちはヘリコプターで空港の跡地に降り立つと、訓練用の銃を構えながら目標地点に向かって前進していました。

訓練のあと、陸上自衛隊第2水陸機動連隊の小松慧介第1中隊長は「水陸両用作戦能力と共同対処能力を向上させることができ、充実した訓練になった」というコメントを出しました。

また、取材に応じたアメリカ海兵隊第3海兵師団のマーク・クリンガン副師団長は「陸上自衛隊の水陸機動団と初めて訓練する機会を持つことができて感謝している。行動をともにして連携や技量を向上できた」と話しました。

一方、訓練に反対する市民団体が13日、中種子町で抗議集会を開き、およそ80人が参加しました。参加した女性は「自分たちの知らないところで話が進められて訓練が始まったことが怖いと思いました。将来、当然のように演習場以外の場所で戦闘訓練が行われるようになるのではないかと心配しています」と話していました。

■尖閣沖 中国海警局の動き

海上保安庁によりますと、ことしに入って中国海警局の船が尖閣諸島周辺の日本の領海のすぐ外側にある接続水域内で確認されたのは14日を含めて合わせて122日になります。このうち、接続水域を越えて領海に侵入したのは合わせて17日だということです。

一方、去年1年間に中国海警局の船が尖閣諸島周辺の接続水域内で確認されたのは171日で、このうち領海に侵入したのは29日でした。

2018年10月14日 15時51分
NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181014/k10011671211000.html?utm_int=news_contents_news-main_003