https://www.bbc.com/japanese/45910399

トルコ警察「森で遺体捜索」 サウジ記者殺害疑惑
2018年10月19日

サウジアラビア政府に批判的だった同国の著名記者が失踪し、在イスタンブールのサウジアラビア総領事館内で殺害されたのではないかと懸念されている問題で18日、トルコの捜査消息筋によると、警察は記者の遺体が周辺の森や農地に遺棄された可能性を念頭に、捜索範囲を拡大した。他方、23日に開催されるサウジアラビアの皇太子主催の投資会議に、米財務長官と英国際貿易相が欠席することが新たに明らかになった。

ジャマル・カショジ記者は10月2日に書類手続きのためイスタンブールのサウジ総領事館に入ったのを最後に、行方が分からなくなっている。トルコ警察は当初から、記者が総領事館内で殺害され、遺体は解体されて外部に運び出されたと断定した。一方のサウジ政府はこれを否定している。

トルコ警察は15日から18日にかけて、総領事館と総領事公邸を鑑識捜査。採取した資料を鑑定し、カショジ記者のDNAと一致するか調べている。トルコ警察が総領事館に入る前には、サウジ政府関係者の一団と清掃係が入る様子が目撃されている。

これとは別にトルコ政府高官は18日、米ABCニュースに対して、記者が殺害される様子の音声証拠をマイク・ポンペオ米国務長官は聞いていると話したが、ヘザー・ナウアート国務省報道官はこれを否定した。ポンペオ長官は16日にサウジアラビアの首都リヤドを、17日にはトルコ・イスタンブールを歴訪し、サウジアラビアの皇太子やトルコの大統領を始め両政府幹部と会談している。サウジアラビアもトルコも、米国に近い同盟国。

トルコ警察は疑惑発覚当初から、カショジ記者が総領事館内で殺害されたことを裏づける音声・映像証拠を得ていると述べているが、公表はしていない。しかし、トルコ政府に近い複数の地元メディアは、証拠音声を聞いたとして、残酷な詳細を報道している。それによると、記録音声には記者の悲鳴や、すでに出国したモハメド・アル・オタイビ総領事の声が含まれているという。

政府に近いイェニ・サファク紙は、オタイビ総領事がリヤドからこの日到着したばかりの工作員たちに、「外でやれ。私が面倒なことになる」と告げていると書いた。

別のトルコ紙は、カショジ記者が失踪した2日に、民間機でイスタンブール入りして同日中に出国したサウジ工作員15人を特定したと伝えた。
(リンク先に続きあり)