https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-45910386

【検証】トランプ政権下の米経済は「史上最高」なのか?
2018年10月19日

リアリティー・チェック(ファクトチェック)チーム、BBCニュース

主張: ドナルド・トランプ米大統領によると、米国経済は現在、史上最高の好景気を経験している。

トランプ氏は11月6日に迫った米中間選挙に向けた演説で繰り返しこのメッセージを発している。中間選挙では米連邦議会議員のほか、州知事や各自治体の議員が選ばれる。
米紙ワシントン・ポストが9月に発表した推計によると、トランプ大統領は過去3カ月間で40回、この主張を繰り返した。
リアリティー・チェックの判断:確かに米経済は好調だ。しかし、今より好調だった時代もある。
一方で、賃金や家計所得など一部の経済指標はあまり改善していない。

GDP成長率は過去最高ではない

国内のモノとサービスの価値を示す国内総生産(GDP)の成長は力強い。
2018年第2四半期(4〜6月)の米国のGDP成長率は年率で4.2%に達した。
ここ数年では最高の数値だが、2014年第3四半期に記録した4.9%には及ばなかった。
そして1950年代と60年代にも、これよりも高いGDP成長率を達成している。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のメガン・ブラック歴史学準教授は、「もしGDPを根拠に経済の健全性を見るなら、第2次世界大戦後の好景気と比べる必要があり、トランプ氏の主張には疑問が出てくる」と指摘した。

「戦後の経済成長は目覚ましいものがあった。製造業が中心だったが、農業や運輸、貿易、金融、不動産、鉱業も好調だった」

この指摘は、経済成長の指標として頻出する失業率にも当てはまる。今年9月の米国の失業率は3.7%だった。
1950年代には、これよりも失業率が低い時があった。
つまり、これらの経済指標は好調を示しているが、史上最高ではない。

株式市場も好調

トランプ大統領は、米金融市場の価値上昇について、特に、米企業30社の株価を示すダウ・ジョーンズ工業株30種平均(ダウ平均株価)を強調している。
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