インドのモディ首相は27日午後、日印首脳会談などの日程のため、日本に向けて出発した。
28日は安倍晋三首相の招きで首相自身の山梨県鳴沢村の別荘を訪れ、29日に首脳会談に臨む。

安倍首相が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」のもと、両国は安全保障面での連携や、経済面での協力関係を強化させたい考えだ。
日印首脳は2005年からほぼ毎年交互に相手国を訪問しており、モディ氏の来日は16年11月以来、3度目。

モディ氏は出国に先立って、印PTI通信に「日本とは理想的な連携が実現している。経済と技術の近代化での最も信頼できるパートナーだ」と強調した。
両首脳の会談は12回目で、個人的な結びつきも強く、安倍首相が海外首脳を別荘でもてなすのは異例の厚遇だ。
印外務省関係者は「モディ氏やインドへの信頼の表れと受け取っている」と歓迎する。

日印外交筋によると、首脳会談では、中国の海洋進出をにらんだ安全保障分野での協力推進のほか、医療分野での連携拡充や、デジタル技術の共同研究など広範囲な事柄について協議される。
インフラ開発でも連携が進む方針で、日本政府は新幹線方式が採用されるインド高速鉄道事業などに対して、3千億円強の円借款供与を表明する。

安倍首相訪中で新たな日中関係が模索される中でも、中国の軍事拡大への警戒は解除できず、日本にとってインド太平洋戦略を共有するインドとの連携は重要だ。
インドの「防衛分析研究東アジアセンター」のティトリ・バス研究員は「これまでの2国間関係は日本からのインフラ支援という点が強調されてきた。今後は多様な分野でさらに連携を深めていく必要がある」と話している。

https://www.sankei.com/world/news/181027/wor1810270019-n1.html