東海道新幹線で6月、乗客の男女3人が殺傷された事件で、鑑定留置に入っていた小島一郎容疑者(22)=殺人容疑などで逮捕=について、横浜地検が刑事責任能力が問えると判断し、同罪などで起訴する方針を固めたことが13日、捜査関係者への取材で分かった。地検は小島容疑者の刑事責任能力の有無を調べるため、7月中旬から約4カ月の予定で鑑定留置を行っていた。
 また、小島容疑者が犯行場所に新横浜−小田原間の新幹線内を選んだことについて、「邪魔されずに犯行に及ぶためには新幹線が良いと思っていた」との趣旨の供述をしていることも新たに判明。動機については「自分で考えて生きるのが面倒くさく、他人に頼って生きる方が楽だと思い刑務所に入りたかった。無期懲役を狙っていた」などと説明していた。
 捜査関係者によると、小島容疑者から反省の言葉はなく、取調官の「なぜ面倒くさいのか」との問いかけについても「自分がそう考えているのだからしょうがない」などと返答する場面もあったという。
 小島容疑者は事件前、東京駅から新幹線に乗車していたが、途中停車駅が多いとの理由で新横浜駅を出るまでは犯行に及ばなかったとみられる。
 事件は6月9日午後9時45分ごろ、新横浜−小田原間を走行中の東京発新大阪行きのぞみ265号(16両編成)の12号車内で発生。小島容疑者が突然、鉈(なた)で周囲の乗客を切りつけ、止めに入った会社員、梅田耕太郎さん=当時(38)=が殺害されたほか、乗客の女性2人も頭などを切りつけられ軽傷を負った。

https://www.sankei.com/smp/affairs/news/181113/afr1811130011-s1.html