英与党内「メイ降ろし」の動き=EU離脱で政局流動化
2018年11月15日23時56分
時事通信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018111500848

 【ロンドン時事】英国と欧州連合(EU)が離脱協定に合意し、25日に臨時のEU首脳会議をブリュッセルで開いて正式決定することになった。来年3月末の離脱に向けて最初の関門を突破した格好で、今後の焦点はそれぞれの議会承認に移る。しかし、英国ではメイ首相がまとめた合意内容に反発が広がり、与党内には「メイ降ろし」の動きも始まった。議会承認には不透明感が強まり、英政局も流動化してきた。

 「長く、熱のこもった議論だった。困難な日々がこれから待ち受けていることは分かっている」。首相は14日夜(日本時間15日未明)、5時間以上にも及んだマラソン閣議でようやく承認にこぎ着けた後、記者団にこう語った。表情はやつれ、声にも張りがなかった。

 首相にとって、内閣の承認は国内手続きの最初の関門だった。首相方針に懐疑的な閣僚が一定数いたためで、英メディアによると、実際に閣議では約3分の1が反対を表明。15日には主要閣僚のラーブEU離脱担当相らが辞任するなど、閣内の意見集約にさえてこずる姿は首相の求心力低下を印象付けた。

 今後は前途多難だ。与党・保守党内では早速、有力議員のリースモグ氏がメイ党首の不信任投票を要求する準備を始めた。投票が実施されメイ氏が党首を解任された場合、首相退陣は避けられない。不信任を回避しても、議会承認に必要な与党票の確保は難航しそうだ。