リビア南部で警察署襲撃、9人死亡 ISの犯行か

リビア国内の勢力図。濃い黄色:国連が支持する政権勢力の支配地域。薄い黄色:政権勢力の影響地域。濃い緑:民兵組織「リビア国民軍」の支配地域。薄い緑:リビア国民軍の影響地域。灰色:「イスラム国(IS)」の影響地域(2018年11月12日作成)。(c)SOPHIE RAMIS, THOMAS SAINT-CRICQ / AFP
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AFP 2018年11月24日 11:03 発信地:ベンガジ/リビア [ リビア 中東・北アフリカ ]
http://www.afpbb.com/articles/-/3198973?cx_part=latest

【11月24日 AFP】リビア南部のオアシスの町テザルボ(Tazerbo)で23日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」とみられる集団が警察署を襲撃し、治安要員少なくとも9人が死亡した。治安当局高官が明らかにした。

 同高官によると、ほかにも民間人含め11人が負傷。さらに治安部隊の指揮官が犯行グループに「誘拐」された。

 テザルボを含む砂漠地帯は、元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)氏率いる民兵組織「リビア国民軍(LNA)」が支配。同組織は、国際社会が支持するファイズ・シラージュ(Fayez al-Sarraj)暫定首相率いる首都トリポリのリビア統一政府(国民合意政府、GNA)とは対立関係にある。

 2011年に独裁者のムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が放逐・殺害されて以降、リビアは権力闘争により分裂するとともに、慢性的な政情不安によって弱体化しており、イスラム過激派の温床となっている。

 ISは2015年、同国の混乱に乗じて北部沿岸の都市シルト(Sirte)を占拠したが、2016年12月、国連(UN)の支援を受けたリビア統一政府系の部隊が8か月にわたる激しい戦闘の末に同市を奪還。それ以降、IS勢力の一部が再結集と組織の再建を目指し、砂漠地帯に戻っている。(c)AFP