https://www.bbc.com/japanese/46450190

英下院、メイ内閣が議会侮辱と動議可決 ブレグジット合意めぐり
2018年12月5日

英国の欧州連合(EU)離脱についてメイ英政権がEUと合意した離脱協定について、政府の説明が不十分だとして英下院は4日、内閣による議会侮辱動議を可決した。下院は11日、ブレグジット(英国のEU離脱)合意について議決する。

議会侮辱動議が可決されたことを受けて、EUと交わしたブレグジット合意について内閣が法務長官から受けていた助言の全容を議会に公表すると、内閣は議会に約束した。

下院はさらに、仮に11日に政府のブレグジット合意が議会で否決された場合、今後の展開について下院が直接の発言権を持つべきだとする動議も可決した。

メイ政権がEUと合意した離脱協定は、実施するには英議会の承認が必要。

メイ首相は4日から5日間にわたる下院審議で、合意内容を議会に説明し、承認を獲得したい構えだ。

審議冒頭で首相は、2016年6月の国民投票で決まったブレグジットを下院は実現する責務があると強調。EUと合意した内容を「名誉ある妥協」だと呼び、EUは再交渉しないと立場を明示していると念押しした。

「この合意が完璧だと言ったことはないし、完璧な合意はあり得なかった。交渉とはそういうものです」と首相は述べ、さらに「完璧なブレグジットを追求するあまり、良いブレグジットを妨げてはなりません(中略)この合意こそ英国民にとってまさに最善のものだと今日、約束します。有権者と国の最善の利益のために支援していただきたい」と呼びかけた。

首相は、ブレグジットによる英国内の分断は英政府を「侵食する」もので、国民はいつまでもめ続けるのかと呆れていると主張。早期の解決を求めた。

これに対して、野党第一党・労働党のジェレミー・コービン党首は、離脱合意は英国にとって悪い内容で、もし議会が合意しなければ、労働党として首相不信任動議を議会に提出すると述べた。

「この下院は来週火曜日に判断します。下院があの合意を拒絶すると期待し、予想しています」とコービン党首は述べた。
メイ政権と閣外協力を約束している北アイルランドの民主統一党(DUP)も、政権のブレグジット合意には批判的で、ロンドンの議会でDUP議員団を率いるナイジェル・ドッズ副党首は、政府のブレグジット合意では「連合王国が一体となって」EUを離脱するという約束を果たしていないと批判した。

ブレグジット推進派の中心人物、ボリス・ジョンソン前外相は、政府の合意を「うわべだけ塗り固めた偽物ブレグジット」と呼び、これを支持することは、国民投票で離脱に投票した1740万人に「背を向けることだ」と批判した。
(リンク先に続きあり)