米国の働きかけを受け、日本政府は情報漏洩など安全保障上の懸念から中国・華為技術(ファーウェイ)などの製品を政府調達から事実上、排除する指針をまとめた。携帯電話各社も次世代通信「5G」の基地局で中国製品を使わない方針だ。中国製通信機器は何が問題で、どんなデータ流出が起きうるのか。サイバーセキュリティーの専門家に聞いた。

■悪用なら機密情報漏洩(NRIセキュアテクノロジーズ・時田剛氏)

――ファーウェイ製品による情報漏洩の被害は実際に起こっていますか。

「実害は断定できないが、これまでに何度か深刻な問題が見つかっている。例えば通信機器に、仕様書にないポート(通信の出入り口)が見つかった例がある。インターネットで外部と通信が可能なため、不正にデータを盗み出すバックドア(裏口)に悪用できる」

「ただ、それがファーウェイの故意かどうかは分からない。開発時の設定作業に利用していたポートを停止せずに製品を出荷したとしても不思議ではない」

――バックドアを使うとどんな情報を取得でき、何ができるのですか。

「携帯電話の基地局を例に取ると…

2018/12/12 1:52日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38821440S8A211C1EA2000/