NY円、3日続伸 1ドル=109円50〜60銭で終了 年間でも上昇
2019/1/1 7:37
https://www.nikkei.com/article/DGXLASM7IAA05_R00C19A1000000/

【NQNニューヨーク=川内資子】年内最後の取引日となる12月31日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続伸し、前週末比75銭円高・ドル安の1ドル=109円50〜60銭で取引を終えた。一時は109円56銭と6月下旬以来ほぼ半年ぶりの円高・ドル安水準を付けた。年末で積極的な取引を控えるムードが広がるなか、米長期金利が低下。日米の金利差縮小の見方から円買い・ドル売りが優勢となった。

米債券市場で長期金利の指標となる米10年物国債利回りが一時、2月上旬以来の低水準(価格は高水準)を付けた。持ち高調整目的で債券が買われたためだが、外為市場では日米金利差の縮小に着目した円買い・ドル売りにつながった。

トランプ米大統領が29日、貿易摩擦を巡る米中協議について「大きく前進している」とツイッターに投稿した。米中の貿易摩擦の激化を巡る警戒感がやや薄れ、投資家のリスク選好姿勢がやや強まった。ドルが一部の新興国通貨などに対して売られ、対円でもドルの重荷になったとの指摘があった。

円の安値は110円05銭だった。

円の対ドル相場は年間で上昇し、前年末(112円65〜75銭)比で約3%上げた。前年末より円高・ドル安となるのは3年連続。年前半と終盤に株式相場が下落した場面で、投資家がリスクを避ける際に上昇しやすい円が買われた。

円は対ユーロで続伸し、前週末比45銭円高・ユーロ高の1ユーロ=125円65〜75銭で取引を終えた。

ユーロはドルに対して3日続伸し、前週末比0.0030ドル高の1ユーロ=1.1465〜75ドルだった。米長期金利の低下を手掛かりとしたユーロ買い・ドル売りが優勢だった。

ユーロの高値は1.1468ドル、安値は1.1426ドルだった。

ユーロは年間で円とドルに対して下落した。昨年末比の下落率は対円で約7%、対ドルでは約4%だった。ユーロ圏の景気減速やイタリアの財政問題を巡る不透明感などがユーロ売りにつながった。