■天に向かって唾する

人に危害を加えようとして、返って自分が酷い目にあってしまうことのたとえ。

空に向かって唾を吐きかけても空を汚すことなんてできません。
むしろ自分の吐きかけた唾が顔に振ってきて自分の顔が汚れます。

このことから、相手に害をなそうとして、かえって自分が害を受けてしまうような状況をあらわす言葉になりました。

■この言葉は仏教最初の経典とされる「四十二章経」の中にある以下の内容に由来します。

「悪人の賢者を害するは、猶し天を仰いで而も唾せんに、唾天を汚さずして、還って己が身を汚し、風に逆らって人に塵くに塵彼を汚さずしてかえって身に塵するが如し」

■これは、以下の意味を持っています。

『悪人が賢者に害を与えようとするのは、天に向かって唾を吐くようなものだ。
唾は天を汚さずに唾を吐いた人だけが汚れる。

また、それは風上に向かってゴミを撒くようなものだ。
ゴミは賢者を汚さず撒いた人だけを汚すだろう。』

■つまり

尊い者に害を与えるというのは、結果として自分に害することになると言っているんですね。