https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190114-00000300-oric-life

「雪の妖精」の愛称で親しまれる野鳥・シマエナガが、かわいすぎるとSNSで話題になっている。
シマエナガは北海道に生息するエナガの亜種で、体長は14cmほど。
フワフワ真っ白の羽毛で包まれた丸いフォルムに、つぶらな瞳がちょこんと覗く見た目が特徴的だ。
その愛らしい姿を模してつくられた「シマエナガシュガー」はTwitterで2万ものいいねを集め、
シマエナガだけの写真集やカレンダーなど関連グッズも続々と発売されている。
シマエナガの写真を投稿し、フォロワー数10万を超える人気Twitterアカウント「ぼく、シマエナガ」を運営する
やなぎさわごうさんに、シマエナガの魅力を聞いた。

■回数を重ねやっとのことで撮影成功「自分の技術で撮影難しいところに惹かれる」

――シマエナガにはまったきっかけのエピソードをお聞かせください。
【やなぎさわさん】私の印象だと、2013〜14年頃からTwitterでシマエナガがかわいいとたびたび話題になっていました。
2015年末にたまたま「ほぼ日刊イトイ新聞」というウェブサイト内のコラム
「エナガのねぐら。 カワイイ小鳥の観察記 フロム富士山麓」を見て、著者の松原卓二さんの写真集「エナガのねぐら」を購入したんです。
その写真集に出てくるエナガのかわいらしさに感動し、シマエナガは北海道にしかいないということを初めて知りました。
このかわいいい鳥を自分でも撮ってみたくなり、近所の公園を週2・3回早朝探して1カ月後にようやく初遭遇しました。

――最初に撮影したときの印象はどうでしたか?
【やなぎさわさん】シマエナガの動きが素早く、姿を見失ってしまって。まったく写真を撮ることができませんでした。
自分のイメージする写真を撮るためには、まずエナガを知ることが必要だと考え、エナガに関する文献を読み込むようにしたんです。
すると2016年2月上旬ごろからコンスタントに遭遇できるようになり、写真も少しずつ撮れるようになりました。
その頃にはすっかりシマエナガにはまっていましたね。

――シマエナガの撮影にはまった理由とは?
【やなぎさわさん】シマエナガは北海道の全域に生息しています。山に行かないと見られない鳥ではなく、街路樹に群れていたりもするんです。
よさこいソーラン祭りや雪まつりの会場にもなっている札幌・大通公園でも目撃例があります。
しかし、スズメや他のカラ類に比べると数が少ないんです。なおかつ群れで行動するため、そうそう簡単に遭遇できない。
素早く動くので自分の技術では撮影がとても難しいところに惹かれます。もし、シマエナガが枝に止まったままじっとしているような鳥だったら、
いくら可愛くてもはまっていなかったと思います。

■正面から見たシマエナガ「瞳とくちばしが●と▲でできている」

――シマエナガはどんな性格の鳥ですか?
【やなぎさわさん】あくまで自分の印象なので実際とは異なるかもしれませんが、警戒心はそれほど強くなく、手を伸ばせば届くほどの
距離まで近づけることもあります。ただ、大きな動きなど驚かせないことが大前提です。見た目はかわいいけどとても俊敏です。
ただ、上空に猛禽類が旋回していると、緊急避難の鳴き声を発したのち枝で1分間近く微動だにしないこともあるんですよ。

――日中はどんな行動をしているんですか?
【やなぎさわさん】ほぼ採食行動に費やしています。虫が好きなようで、枝についている虫をついばんでいます。
あと、イタヤカエデの樹液も好きなようで、流出が始まる2月中旬頃になると樹液を舐める姿をよく見かけます。
樹液の氷柱をホバリング(停止飛行)しながら舐める姿もよく見かけます。シマエナガは繁殖期以外は群れで行動しています。
合図となる鳴き声をきっかけに木から木へと縄張り内を移動します。個よりも集団、お互いを支え合って生きている印象を強く受けます。
身体は小さいですが、鳴き声は思ったより大きくて特徴があるので、遭遇するためには鳴き声を覚えることが必須です。

――ずばり、シマエナガの魅力はどんなところにあるのでしょうか?
【やなぎさわさん】やはりかわいいの一言に尽きます。背面は黒や茶色ですが、正面から見ると真っ白で瞳とくちばしが●と▲。
雪の妖精という呼び名にふさわしい見た目をしている点に魅力を強く感じます。


北海道に生息する野鳥・シマエナガ(提供:やなぎさわごうさん)
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