◆手に「武器」のある新種のカエル、敵の皮膚刺す?
 〜南米エクアドルで発見された新種のカエルの手には指のほかにトゲがあった

エクアドルで新種のカエルが見つかった。このカエルは親指の横にトゲがあるのが特徴だ。

エクアドル・カトリック大学の進化生物学者で、今回の研究を率いたサンティアゴ・ロン氏は、トゲで捕食者や同じ種のライバルの皮膚を刺している可能性が高いという。

ちなみに彼らは樹上にすむ。

(写真)新種のカエルHyloscirtus hillisiの成体。カメラに向かって笑いかけているように見える。
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「Hyloscirtus hillisi」と名付けられた新種のカエルをロン氏らが発見したのは、アンデス山脈でもペルーとの国境に近いコルディジェラ・デル・コンドルへの2週間の調査でのことだった。

コルディジェラ・デル・コンドルは奥地だが、近年は採掘などの開発が原因で、貴重な生態系が脅威にさらされていると考えられている。

野外生物学を専門とするアレックス・エーチグ氏は、「急斜面を2日歩き、疲れ切った汗まみれの体で、平らな頂上に到達しました。目の前に丈の低い林が広がっていました」と振り返っている。

「カエルは保護色で背景に溶け込んでいたため、見つけるのは大変でした」

ロン氏によれば、かぎ爪に似たこの奇妙なトゲは、このカエルの近縁種にも見られるという。

研究をまとめた論文は学術誌「ZooKeys」に掲載された。

(写真)親指の横に生えた奇妙なかぎ爪。最新の研究によれば、雄と雌の両方にあり、防御に使用している可能性が高いという。
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ナショナルジオグラフィックス 2019.01.14
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/011100028/