<全員無罪となった長銀幹部の証言>

金融国会は9月中旬まで議論が右へ行ったり左へ行ったり膠着しました。そして長銀の信用がかかった国会審議で1ヵ月
ほど衆目を集めるところとなった結果、その間に多くの風説やフェイクニュースが流布し、長銀の信用は日を追って低下
し資金繰りが困難になりました。
株価もどんどん下落し、住友信託では共倒れを懸念して合併に対し慎重な意見が強まりました。
結局、本格的な金融危機を防ぎ金融システムを安定化するプルーデンス政策が用意されておらず、審議が膠着している
間に長銀の信用が最終的に毀損される結果となったのです。

自民党全体が宮沢喜一大臣をいただく公的資金で救済する大蔵省の原案に沿って動いてくれると思っていたのですが
野党の枝野幸男ら若手議員と自民党の一部議員が同調して政府案に反発するという事態にさしかかっていました。
「政策新人類」といわれた議員たちです。
特に、枝野幸男、菅直人ら、新党さきがけの議員たちは、銀行を潰せを連呼し、銀行救済に税金を使うなの一点張りで
一歩も譲りませんでした。

結局、金融国会では野党案の丸のみが了承されて長銀の国有化による破綻処理が動かないものとなり、経営破綻が
確定。我々の合併への努力は水泡と帰しました。