棚に並ぶ小さな骨つぼ。福島第1原発事故による避難で飼い主と引き離されるなどして死んだ犬や猫25体が、福島県浪江町の赤間徹さん(56)宅に安置されている。

「早く飼い主が見つかり、安らかに埋葬されてほしい」

赤間さんは元原発作業員。高校卒業後、地元の建設会社に就職し、保守点検や溶接などに従事した。「生活を支えてくれる原発で働くことは自然な流れ」だったが、その暮らしを一変させる事故が起きた。

2次避難の際、飼い主が避難所に向かうバスに乗せられず放した犬や猫たちが雪の降る中、道いっぱいに広がり消えゆく光景が目に焼き付いた。

「自分が造ってきた原発の事故が、動物たちの生活まで大きく変えてしまった」。事故後も第1原発で廃炉作業に携わる傍ら、「せめてもの償い」と町内で野生化した犬や猫80匹以上を自宅の敷地で保護。
写真を自身のホームページに掲載し、飼い主を捜している。しかし、見つかることはほとんどなく、見つかっても引き取ってもらえず死んだ犬猫も。

「人の暮らしを豊かにしてくれた動物が切り捨てられていくことに耐えられない。命あるものを最後まで責任を持って世話していきたい」【宮武祐希】

(ソース)
“小さな命”安らかに 保護の犬や猫、自宅で25体安置 元原発作業員
https://mainichi.jp/articles/20190125/k00/00m/040/031000c
毎日新聞2019年1月25日 09時04分(最終更新 1月25日 09時38分)