ECサイト出店7割が「容易にやめられず」 大手3社に利用集中 公取委調査


 公正取引委員会は29日、インターネット通販の取引実態に関する
調査結果を公表した。アマゾン・コム、楽天、ヤフーの大手3電子商取引
(EC)サイトに利用が集中し、販売を「容易には取りやめられない」と
答えた小売業者が7割に上った。公取委は3社が取引で優位に立ちやすいと
みて、独占禁止法で禁じられた「優越的地位の乱用」とならないよう
注意を呼びかけていく。

 調査は昨年、小売業者・メーカー計1208社と消費者2000人を対象に実施。
ECサイトで商品を販売している小売業者に出店先(複数回答)を尋ねた
ところ、上位3サイトが5〜7割を占め、4位以下は1割以下にとどまった。
出店先を選んだ理由(複数回答)は「ユーザー(消費者)の数が多い」が
77%だった。

 ECサイトに不満が生じた場合、販売を「容易に取りやめることができる」
と答えた小売業者は32%にとどまり、「容易には取りやめられない」が
68%に上った。38%の小売業者がECサイト利用料に「不満がある」と
答え、不満の理由として「一方的に値上げされた」(複数回答)が
47%で最多だった。

 公取委は「特に中小規模の小売業者にとって重要な販売ツールとなって
いる」と説明。「(ECサイト)運営業者は有力な地位にあり、出店者に
対し取引条件を不当に変更したり、出店を拒否したりすれば独占禁止法上
問題となる可能性が高い」と指摘している。

 一方、ECに「メリットがあった」と答えた小売業者は94%を占めた。
「競争が激しくなった」との答えも77%だった。


毎日新聞【今村茜】(2019年1月29日 21時10分、最終更新 1月29日 21時21分)
https://mainichi.jp/articles/20190129/k00/00m/020/216000c