鶏卵、乳製品解禁へ 豚・鶏肉は見送り EU向け輸出
2019年01月30日 日本農業新聞
https://www.agrinews.co.jp/p46576.html

 吉川貴盛農相は29日の閣議後会見で、日本産鶏卵と牛乳・乳製品の欧州連合(EU)向け輸出が解禁されるとの見通しを示した。EU内の手続きを経て、早ければ1カ月後に解禁が決まる。
輸出向け施設の認定が必要ない鶏卵や牛乳を使った加工食品から本格的な出荷が始まる見込み。豚肉と鶏肉の解禁は、国内での家畜伝染病発生を受けて先送りとなった。

 EU向け畜産物輸出は、EUの輸入承認リスト(第三国リスト)に掲載された後、可能となる。同省によると、25日に実施されたEU加盟国の投票の結果、鶏卵と牛乳・乳製品で日本を同リストに載せることが決まった。
リストに掲載され、正式な解禁が決まるには、EU内の手続きにより約1カ月かかる。

 畜産物として輸出するには、EUが定める衛生管理基準に対応した施設を整備する必要がある。同省によるとEUが求める基準は他国・地域と比べ厳しく、牛肉ではリスト掲載後、施設認定に至るまで15カ月かかった。

 鶏卵や乳製品を原料として使った菓子や調味料など加工食品は、施設認定が必要ないため解禁後すぐに輸出できる見込み。
吉川農相は「カステラをはじめとしたスイーツ、マヨネーズなどは、ただちに輸出ができる」と期待を寄せた。

 2月に発効するEUとの経済連携協定(EPA)で畜産物の関税が即時撤廃となることを見据え、政府は、既に輸出が可能な牛肉以外の畜産物で早期の輸出解禁を求めてきた。
豚コレラや鳥インフルエンザの発生を理由に、輸出解禁の対象品目は鶏卵と牛乳・乳製品にとどまった。農水省は豚肉と鶏肉の解禁に向けて、働き掛けを続ける。

 日本からEUへの輸出額は2015年時点で400億円で、3年連続で増加。政府は加工食品や牛肉など8品目を、世界各国への輸出戦略の重点品目に設定している。


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