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海底耕し貝毒封じ…大阪湾、有害プランクトン抑制
22:48 讀賣新聞
https://www.yomiuri.co.jp/science/20190209-OYT1T50259/

 大阪湾で近年猛威をふるっている貝毒の対策として、大阪府漁連は今月、海底を耕す「海底耕運」と呼ばれる方法を試みる。漁獲量を増やす目的で秋に実施しているが、貝毒を抑え込む効果があるかは未知数。東京の市場でも評価が高い大阪湾の海の幸を守る新たな一手として、関係者の期待は高い。

 貝毒は、毒性のある植物性プランクトンをアサリ、マガキ、アカガイ、トリガイなどの二枚貝が摂取し、体内に蓄積して発生。大量に食べると手足などがしびれ、呼吸困難で死亡することもある。

 大阪湾では昨年、例年より1か月早い2月中旬に、アサリの毒が国の規制値を超え、4月には大阪府阪南市で規制値の最大42倍の毒素が確認された。例年終息する5月中になっても被害が続き、8〜9月にようやく安全が確認された。

 貝毒の発生は、瀬戸内海への排水規制で浄化が進み、低栄養でも育つ有害プランクトンが増えているのが原因とみられている。昨年は兵庫県西部で35年ぶり、岡山県東部で32年ぶりに貝毒が発生した。

 大阪湾の貝類の水揚げは例年約60トンに上るが、貝毒が発生している間、アカガイやトリガイなど二枚貝の水揚げはほぼゼロに。特にアカガイは大きく身が詰まっていると料理店などの評判も高いが、漁連の担当者は「ブランドイメージに傷がつく」と懸念する。潮干狩りシーズンに、客がアサリを持ち帰れない事態も起きている。

 海底耕運は、漁船で「桁けた」と呼ばれる鍬くわのような形をした器具を引っ張って、海底に堆積した泥をかき混ぜる。泥に酸素を送り込むとともに、窒素やリンなどの栄養塩を海中に巻き上げて循環させることで、海底付近に住む魚種などを増やす効果があるとされる。

 海底のごみ集めにもなり、大阪湾では、2011年から毎年秋に実施されている。漁獲に大きな成果は出ていないが、有毒な硫化水素の濃度が低下したり、魚の餌となるゴカイが増える兆候がみられたりしているという。

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