救助の2人「互いの力過信した」

http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20190218/1030006860.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

新潟県湯沢町の山中で、整備されていない斜面を滑るバックカントリースキーをしていて
16日から行方がわからなくなっていた男性2人は、18日午前9時前、現場近くの山中で救助されました。
2人は警察に対し「視界が悪い中を過信して進み、道に迷ってしまった」と話しているということです。

救助されたのは、東京・世田谷区の会社員、加藤康博さん(38)と神奈川県藤沢市の自営業、大川隆央さん(59)です。
警察によりますと、2人は16日から1泊2日の予定で湯沢町三俣の「かぐらスキー場」を訪れ、
コース外で整備されていない斜面を滑るバックカントリースキーをしていましたが、
16日夕方になっても宿泊する山小屋に来ていないと、知り合いから警察に通報がありました。

このため警察や消防などが、17日からスキー場周辺で捜索したところ、
18日午前9時前、県警ヘリが、スキー場近くの山頂から南側におよそ1.4キロ離れた山中で2人を発見し、救助しました。
2人は病院に運ばれましたが、いずれも自力で歩くことができ、命に別状はないということです。
警察の調べに対し、2人は
「視界が悪い中、自分たちを過信して進んで道に迷ってしまった。雪に穴を掘って寒さをしのいでいた」
などと話しているということです。
警察はさらに当時の詳しい状況を調べています。

新潟県湯沢町でバックカントリースキーをしていて遭難し、18日朝、救助された大川隆央さんと加藤康博さんは18日午後、取材に応じ
「お互いの力を過信した。多くの方々にご迷惑をかけて申し訳ありません」などと話しました。
2人は18日午後、南魚沼警察署で遭難したときの状況を説明したあと報道関係者の取材に応じました。
大川さんは冒頭
「消防や警察など多くの方々にご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳ございません」とおわびのことばを述べました。
遭難の原因については
「下りる道に迷ってしまった。お互いの力を過信し、一緒にいればある程度の所は滑れるというお互いへの依存心があったと思う。
そもそも天候が悪かったら、先に進むべきではなかった」と話しました。

一方、2人とも目立ったけがはなく、自力で歩行できる状態で救助されました。
2人は救助を待つ間、雪原に横穴を掘って雪洞を作り、服を着込んで身を寄せ合って過ごしていたということです。
加藤さんは
「食料を3日分、水を1リットルに加え、たくさんの着込める服やカイロを持っていた。
体を暖めるものがあったので生き残れたのだと思う」と話していました。
大川さんは
「ヘリが見えたときはこれで生きて帰れると思い、本当にうれしかった。
冬山は一歩間違えれば命を落とすということが身にしみました」と話していました。

県警察本部によりますと、ことしに入って新潟県内の冬山で遭難した人はすでに11人に上り、
このうち10人がバックカントリースキーで遭難したとみられ、注意を呼びかけています。
県内では先月25日、妙高市のスキー場でコースの外を滑っていた
フランス人の男性が、雪崩に巻き込まれて死亡しています。
一方、去年1年間でバックカントリースキーで遭難した人は16人で、2人が死亡、5人がけがをしました。

ことしに入って遭難件数が増えている原因について、警察は、ことしは晴れの日が多く
雪が少なくて道路の状況がよいことから、雪山に向かう客が例年より多いためとみています。
警察は、バックカントリースキーをする際は十分な装備をするとともに、
事前に計画を立て必ず登山届を提出するよう呼びかけています。

02/18 17:14