保釈中の再犯が急増…目立つ「薬物」「窃盗」

 刑事事件で起訴された被告による保釈中の再犯が増えている。
過去10年で3倍近くに増加し、先月には殺人事件も発生した。
現行法で「再犯の恐れ」は、裁判所が保釈の可否を判断する際の
要件になっていない。被告の人権への配慮か、社会のリスクの低減か――。
どちらを重視すべきかは、専門家の間でも意見が分かれている。


 ◆拳銃持って逃亡

 「保釈中の被告が出頭しておらず、公判は開けない。これで閉廷します」。
先月30日、東京地裁であった覚醒剤取締法違反(使用)事件の初公判。
住吉会系暴力団組員の阿部勝被告(56)は開廷予定の時刻になっても
出頭しなかった。担当裁判官は閉廷を宣言し、公判日程の延期も決めた。

 阿部被告は昨年12月6日、都内で覚醒剤を使用したとして起訴された後、
東京地裁が保釈を認め、勾留を解かれた。ところが、その約1か月後の
先月21日に東京・歌舞伎町で元暴力団組員の男性(65)を射殺し、
拳銃を持ったまま逃亡したとして、同24日に殺人容疑などで
公開手配される事態となった。

 保釈は通常、被告側の請求に基づき、裁判所が可否を判断するが、
保釈中の再犯は近年、増加傾向にある。犯罪白書によると、保釈中に
別の事件で起訴された被告は、2007年の85人から17年は
246人となった。

 薬物事件や窃盗事件などが目立ち、昨年末には、覚醒剤の使用や所持で
起訴された北海道警元巡査部長の男(46)が、保釈当日の夜から
覚醒剤を注文し、繰り返し使用していたことが判明。
改めて逮捕・起訴され、今月7日に実刑判決を受けた。

(以下、ソース元でご確認ください)

読売新聞[読者会員限定]
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190228-OYT1T50189/