「スマホが1円」――。

 こんな看板を見かけるようになった。条件はあるものの、例えば家電量販店でアップルの「iPhone XR」を1円で売っているのだ。

 その裏には国が携帯電話料金の値下げを促す電気通信事業法の改正案を国会に提出したことがある。これまで携帯会社は端末の料金を割り引く代わりに通信料金を高く設定して儲けを維持してきた。そのため10万円のiPhoneが3万〜5万円台で買えたのだが、電気通信事業法が改正されればそうしたダンピングができなくなる。在庫を売り切るならいまのうちというわけだ。また、今秋、iPhoneの最新機器が発売されることも、早めに在庫を売り切りたいという企業マインドに火をつけた格好だ。

 このXR、買うべきだろうか。

「マニアには物足りないでしょうが、一般の人には十分といえます」とはスマホ評論家の新田ヒカル氏だ。

「最近のiPhoneは顔認証システムを採用していますが、あまり精度が良くないと不評なのです。『XR』も例外でなく、顔認証は期待できない。ただしパスワード入力に慣れている人にとっては不便はありません。上位機種の『XS』に比べるとロック解除に時間がかかるのは事実ですが、遅れは0コンマ数秒程度。発色性能も劣りますが、一般のスタンダードユーザーにとっては気にならない程度です」

 ただし、いま契約すると、現行の高めの通信料金が適用され、これが固定化される恐れもある。

「4月以降、通信料金が引き下げられる可能性があるので、いま買うと当面、高い料金を払わされることになるかもしれません。それでも1円は魅力という人に向いているといえるでしょう」(新田ヒカル氏)

 いまが、iPhoneを1円で入手できる最後のチャンスかもしれない。

3/21(木) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL
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