安倍晋三首相は4月1日に新元号を菅義偉官房長官が発表した後、直ちに自らも記者会見に臨み、談話を読み上げる。1989年の前回改元時は竹下登首相(当時)の談話を小渕恵三官房長官(同)が代読し、竹下氏の影は薄かった。今回は安倍首相も前面に出て「首相主導」をアピールする。発表に万全を期すため、政府はリハーサルも行った。

菅長官は4月1日の発表会見で、新元号を毛筆で記した「墨書」を掲げる予定。首相はこの後の会見で、墨書を傍らに置き、新時代の象徴となる新元号について自ら国民に説明する。
 平成改元時は、小渕氏が「平成」と書かれた額を掲げて発表。小渕氏は「平成のおじさん」と呼ばれて一躍有名になり、竹下氏が悔しがったという。菅長官は29日の記者会見で、安倍首相が会見する理由について「新元号に込められた意義や国民へのメッセージを首相から国民へ直接伝える」と説明した。

 首相官邸は4月1日の安倍首相、菅官房長官それぞれの記者会見をインターネットでライブ配信する。
 新元号発表に向けて、政府は28日夜、首相官邸の記者会見室で、報道陣を閉め出す厳戒態勢の下、リハーサルを実施。新元号の墨書を入れた額縁を置く位置や、会見室のバックのカーテンの色、当日の進行などを確認したとみられる。

2019年03月29日22時17分
時事通信
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