宇宙航空研究開発機構(JAXA)と鹿島建設は神奈川県小田原市の鹿島建設西湘実験フィールドで、自動化建機を使って無人で月に有人拠点を建設するデモ作業を公開した。今回のデモ作業はJAXAと鹿島建設が芝浦工業大学、電気通信大学、京都大学とともに、宇宙での拠点整備を目指して2016年から進めてきた共同研究の成果の一部。

 JAXAによると、今回のデモ作業は地球からの遠隔操作で月面に穴を掘り、筒状の居住モジュールを設置する有人拠点の建設をイメージして進めた。地球に見立てた操作室から事前に用意した作業手順を遠隔指示すると、油圧ショベルとキャリアダンプが作業を自動施工するのに成功した。

 建機には車体方向や位置の計測器、自動走行制御装置を搭載した。掘削など定型作業の繰り返し、指定した地区間の走行を自動で行うことができ、細かい部分の調整を遠隔操作でできる。建機同士がお互いの位置を確認して道を開けたほか、土の受け渡しをスムーズに行うなど研究の成果が披露された。

 JAXAは月では砂を掘る掘削作業が有人拠点の建設に重要になるとし、今回のデモ作業成功が無人で拠点を整備する第一歩になるとみている。
鹿島建設は無人の土木工事技術が宇宙開発だけでなく、建設業界の生産性向上や労災事故の減少に役立つとしている。

https://univ-journal.jp/25330/?show_more=1
自動キャリアダンプ
http://www.jaxa.jp/press/2019/03/images/20190328a_07.jpg
動画(左上)
https://www.kajima.co.jp/tech/c_movies/index.html#1_sglb_1