プロジェクト×(ペケ) −失敗者たち−
「Σ(シグマ)計画」
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かつて、日本のコンピュータ技術を、たった一つの技術にまとめ上げようとする計画があった。
「Σ(シグマ)計画」
Σとは、統合を表す。
官僚による、コンピュータ技術の統合。
しかし、
通産省の主導の元、総額250億円にのぼる国家予算を費しながら、コンピュータ技術の発展になんの功績も残さず、計画は水胞に帰した。

これは、膨大な国家プロジェクトの、失敗の物語である。


「ともかく虎ノ門だか霞ヶ関だかの会場に着くと,オレたち以外はみんな偉そうなヒトなので驚いた。
言ってはなんだがダブルの背広着て扇子で自分をあおいでるシラガの爺さんまでいるもんだから
で,そういうヒトたちはみんなかねてよりの知り合いらしく,ワキアイアイ,アイマイモコモコと談笑してる。
オレとコンドー君だけまるで異物,ジャジャ丸とピッコロの着ぐるみを着て宮中晩餐会にいるみたい。誰も話しかけてこないんだけど,
みんなが目から「ナンデアンナヤツラガイルンダ光線」を撃ってくるんである。」やがて、勉強会が始まった。
若い、通産省の役人が、Σ計画の説明を始めた。
「来るべき、ソフトウェア技術者不足に確実に対応するための、計画だ。」

男は、しばらく計画について話し、帰った。
司会が言った。

「では通産省のセンセイもお帰りになりましたので,われわれはお金になるビジネスの話をいたしましょう」
参加者の目が輝き始めた。
そこから始まったのは、どんな企画を出せば、通産省から「Σ関係」名目で予算を絞り取れるかという話だった。