過激派組織「イスラム国(IS)」に数カ月にわたり包囲されているシリアの都市コバニで、イスラム教からキリスト教に改宗するシリア人が増えている。戦争体験と、イスラムのための戦いを主張する組織からの攻撃により改宗を決断したという。写真は破壊された家の近くで遊ぶ子どもら、コバニで3日撮影(2019年 ロイター/Ali Hashisho)
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[コバニ(シリア) 16日 ロイター] - 過激派組織「イスラム国(IS)」に数カ月にわたり包囲されているシリアの都市コバニで、イスラム教からキリスト教に改宗するシリア人が増えている。戦争体験と、イスラムのための戦いを主張する組織からの攻撃により改宗を決断したという。

シリア北部のトルコ国境に位置するコバニでは、多数の家族がキリスト教に改宗したことを受け、昨年初めて、福音派のキリスト教会が開かれた。

キリスト教徒はここでは少数派で、ISの迫害対象となっている。このため改宗に対しては、この地域で活動するキリスト教団体からの経済支援や雇用面での恩恵を受けたり、欧州諸国へ移住するのが目的ではないかと疑問視する声もある。

これに対し改宗者らは、信仰の問題だと反論する。

コバニ近くのキリスト教系支援団体で活動するオマル・フィラス氏は、福音派教会の創設に尽力した。「ISとの戦争を経て、人々はイスラム教と距離を置き、正しい道を探すようになった。人々はおびえ、戸惑っている」と説明。20家族(80─100人)ほどのコバニ市民がこの教会で礼拝しているといい、「火曜日に集会を行い、金曜日に礼拝をしている。出席したければ誰でも来ることができる」という。

牧師は、2007年に改宗し、昨年シリア北部のアフリンから着任したザニ・バクルさん(34)。「多くのクルド人はイスラムに限らず宗教全般への信頼を失っており、ISはこれを宗教的衝突として演出している。多くは無神論者や不可知論者になったが、ほかの多くはキリスト教徒になった。アフリンではさらに多くが改宗している」と述べた。

4/17(水) 15:52配信
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