新潟県教育委員会が今夏に実施する2020年度の教員採用試験2次検査で、「模擬授業」と生徒や保護者らとの接し方を検査する「場面指導」を廃止することを決めた。22日の県教委定例会で明らかにした。2次検査は面接のみとする。採用試験の競争倍率が低下する中、受験者の負担を減らし受験者数の増加を狙う。

 全国で教員のなり手不足が懸念される中、県教委が19年度採用に向け昨夏に行った採用試験の競争倍率は、小学校1・2倍、中学校2・3倍と全国最低水準だった。

 廃止するのは小中高校、特別支援学校などの各教諭の2次検査で行われていた模擬授業と場面指導。授業の考え方や生徒らへの対応力などは面接で見極める。

 県教委によると、模擬授業は07年実施の試験から行われていた。

 県教委義務教育課の佐藤理仁課長は「試験対策で、画一的な模擬授業や場面指導になることが近年見られる。受験者の負担を減らすとともに、時間をかけて面接を行い、教員としての資質を評価したい」と説明。採用者の質への影響については、「質が下がるとは思っていない。面接で判断できる」とした。

 県教委は受験者数増を狙い、今夏実施の採用試験で、小学校・特別支援学校教諭の2次検査で課していた音楽と運動の実技を廃止することや、1次検査免除の対象者を拡大することなども決めている。

2019/04/23 11:49
新潟日報
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