◆ 韓国の激辛ラーメン15億個販売…不況にも辛味の全盛時代

会社員であるイ・ヘさん(26)はストレスを受けるたびに刺激的で辛い料理を食べる。
彼は「辛い料理を食べた翌日になるといつもお腹が痛くて苦労するが、ストレスがたまればまた刺激的な料理を食べる」とし「最近、麻辣湯をしばしば食べているが、韓国料理で味わえない特有のピリ辛に中毒されている」と話した。

専業主婦であるキム・ミンギョンさん(43)は毎日のように辛い料理を食べたがる家族のために心配している。
キムさんは「子供がSNSに掲載される辛い料理のコンテンツを見たり、勉強にストレスを受けたりすると刺激的な食べ物を頻繁に食べている」として「辛味のラーメンやレトルト食品を常に買っておく」と話した。

辛味の全盛時代だ。
景気不況が続きながら強烈な味でストレスを解消しようとする消費者が増加しているからだ。

辛い中国料理である麻辣湯が若者の間で人気を集めるかと思えば、辛味のお菓子、チョンヤン唐辛子を入れたラーメンなどが相次ぎ登場している。
辛味は味でない痛みで頭脳と感情を刺激することで感性を活性化しストレス解消に役に立つということが分かった。

辛味が人気を呼び、外食業界のトレンドも変わっている。
ピり辛味が特徴である中国料理の麻辣湯と麻辣香鍋はソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で検索すると10万件以上引っかかるほどトレンディーな辛味で注目されている。

食品業界も相次ぎ辛味の新製品を発表し、消費者の関心を集めている。
チョンヤン唐辛子、レッドペパー、ワサビのような多様な辛味を活用した「辛マーケティング」戦略だ。

食品メーカー、オリオンは今月初め「カムジャエンソスダッチョンヤンテリヤキソース味」の製品を発売した。
この製品は甘い照り焼きソースに韓国人が好むチョンヤン唐辛子のピリ辛味を加えた。
1人世帯の増加と景気低迷の影響で家で一人でお酒を飲む消費者が増え、ビールとともに楽しめるおつまみ型菓子として開発された製品だ。

製品の開発段階で試作品を味わった消費者から「メプタンチャン(辛くて甘くてしょっぱい)3拍子の幻想的なビールの相棒」「チョンヤン唐辛子のすっきりとした辛さに惹かれる」などの好評を得た。
オリオンのイ・ヨンギュン常務は「ひりひりして辛い味は韓国人が好む味で、若年層を中心に普段のストレス解消用や一人飲みのおつまみとして人気を呼び、不況期に新しい味のトレンドを創り出すためのもの」と説明した。

他の食品メーカーである三養(サムヤン)食品は既存の「プルダックポックンミョン」よりさらに辛い「ヘクプルダックポックンミョン」を昨年末から作っている。
最近では国内で最も高いスコヴィル値(SHU)1万2000の「プルダックポックンミョン・ミニ」を発売した。

スコヴィル値とは、辛い程度を示す単位で唐辛子に含まれたカプサイシンの濃度を計量化して表示した数値だ。
三養食品の「プルダック」ブランドは昨年、国内外で2825億ウォン(約266億円)の売り上げをあげ、初めて発売されてから15億個以上販売された。
この製品は今年前半期の累積売り上げ1兆ウォンを突破するものと予想されている。

オットゥギは「チンチャチョルミョン」の後続製品として「ワサビ・チンチャチョルミョン」を発売した。
この製品は若い層を中心にやや辛いチョルミョンにワサビを添加するトレンドに着目した製品だ。

(中略)

辛味ブームについて淑明(スンミョン)女子大経営学部のソ・ヨング教授は「辛い味は不景気の象徴」とし「経済不況時期に苦しい気持ちを解消するために消費者は辛い味をさらに求める。
関連業界は辛い味の人気が当分持続すると見て商品開発やマーケティングに精魂を込めている雰囲気」と伝えた。

だが、辛くてしょっぱい味の刺激的な料理は健康に悪影響を与える可能性もある。
ソウル大学家庭医学科のユン・ヨンホ教授は「カプサイシンは脳を刺激して鎮痛剤の役割を果たすエンドルフィンを分泌し、気持ちを良くさせてストレスを解消する効果がある」として「ただし、辛い料理は胃の粘膜を傷つけ、胃潰瘍や胃炎を起こす可能性もある」と話した。

※記事を一部引用しました。全文はソースでご覧下さい。

中央日報 2019年5月8日 13時15分
http://news.livedoor.com/article/detail/16427025/
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