同性愛の動物たち
「男の娘を巡って2匹が奪い合い」


ゴリラ(ゲイ)

ピーナツ(大人オス)
ビツミー(大人オス)
シリー(若オス)
エイハブ(若オス)
パティ(メス)
タイタス(子供オス)
 一匹のメスを、年齢がさまざまなオスたちが争う状態、これは剣呑なことになると思いつつ、教授はこの風変わりな群れを観察することにしました。

 まず最初に、パティに対しモーションをかけたのはビツミーでした。彼は、もう一匹の大人オス、ピーナツのそばにいたパティに近寄ると、
「俺のものだぞ!」と誇示するように、胸叩き、ドラミングをはじめたのです。
 そして、パティをこづいたり、叩いたりしても、ピーナツが何も反応しないことを確認すると、パティを押し倒し、二時間のうち二回交尾しました。

 一度セックスすると、自分のものと思うのは人間でもゴリラでも共通なのか、ビツミーは大胆になり、その後の数日間、パティを追い回し、
胸の下にひしいでは、ビツミーの上で何度も腰を振りました。この間、
 やがて、パティはビツミーのしつこさにたまりかねたのか、ピーナツのそばにいることが多くなりました。明らかに庇護を求めてのことです。
 そうなると、ビツミーも、ピーナツを恐れ、低い唸り声をあげて、二匹の回りをうろついているだけだったのですが、
やがて思い切ったのか、近づいていきます。そして、ピーナツに対し、再び、胸叩き、ドラミングをはじめました。今回はピーナツも受けて立ち、
取っ組み合いの喧嘩になりました。メスを巡っての戦いは数日もの間続き、テリトリーには、むしり取られた毛と血が散乱します。草木はなぎ倒され、二匹は無数の傷を負いました。
 他の三匹の若オスたちは、この間、組み合っている両者に飛びつき頭を叩いたり、背の毛をひっぱったりして、何とか仲裁しようとしました。
 この様子を見て、山極教授は、この群れもすぐ崩壊するだろうなと思ったそうです。
しかし、どうしたことか、二匹の大人オスの深刻な対立を孕みながら、群れは分裂せず、存続し続けたのです。
「あれっ、何か生えてね!?」
そう、パティはオスだったのです。
全員オスのゴリラたちの愛の園
教授は、集団を観察した十一カ月の間に、九十七例もの同性愛行動を記録しました。この間、彼らは、甲高い鳴き声をあげながら、抱き合い、腰を動かし、そして射精しました。
 教授は、その印象を、「彼らが奔放な性をむさぼっているとしか思えなかった」と書いています。

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