https://www.cnn.co.jp/fringe/35136910.html

超深海の生物から高濃度の放射性炭素、冷戦時代の核実験で蓄積
2019.05.14 Tue posted at 12:58 JST

(CNN) 1950年代〜60年代にかけての冷戦時代に行われた核実験の影響で、超深海にすむ甲殻類の筋組織から高濃度の放射性炭素が検出されたという研究結果を、中国などの研究チームが発表した。

この研究は4月の学術誌に発表された。人間の汚染が海洋の食物連鎖に入り込み、深海に到達している状況が示されたと研究チームは指摘。中国科学院の研究者はCNNに、「これほど高い濃度の炭素14(放射性炭素)は予想していなかった」と話している。

冷戦時代の核実験では、大気中の放射性炭素が2倍に増え、爆弾によって放出された中性子が大気中の窒素と反応を起こして放射性炭素が生成された。

実験の終了に伴い放射性炭素の濃度は下がったが、大気から海面に落下した放射性炭素は、食物連鎖を通じて長年の間に海洋生物に取り込まれていた。

中国と米国の研究チームは、この「爆弾炭素」を使って、西太平洋の3つの海溝で深さ6000〜11000メートルの超深海にすむ甲殻類を調査した。深海の甲殻類は、海底に沈んだ有機物の死骸を餌にしている。
(リンク先に続きあり)

ネバダ州の実験場で行われた37キロトンの「プリシラ」核実験の様子。実験由来の放射性炭素は深海の生物にも及んでいる/U.S. Dept. of Energy
https://www.cnn.co.jp/storage/2019/05/14/e0fac2aec273c37a8eae9791fed2f888/t/768/432/d/priscilla-nuclear-test-super-169.jpg