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2019年5月20日 / 09:25 / 17分前更新
焦点:宙に浮くロシア産「汚染原油」、西側と支払い巡る泥沼劇
Reuters Staff
[ロンドン/モスクワ 15日 ロイター] - その請求書に記載されているのは、ベラルーシからドイツへと至るパイプライン内で何週間も滞留している、有機塩素化合物に汚染された大量のロシア産石油の代金だ。

だが、誰もその代金を払おうとはしない。

1カ月前にこの石油を購入したのは、西側諸国の石油会社と欧州の石油精製企業だ。その後、この石油が使いものにならないことが判明したが、今のところ、彼らは支払い停止には踏み切っていない。

世界第2位の石油輸出国ロシアとの良好な長期的関係を維持し、長引くロシア裁判所での訴訟闘争を避けるためだ。

西側の購入企業数社はむしろ、ロシア側生産者に対し、売り手と買い手双方で、今回のトラブル解消とコスト分担の方法について合意が得られるまで、汚染された原油の支払いを先送りできないか打診していると、ロシア産石油取引に関与している4人のトレーダーは言う。

パイプライン内、あるいはタンカーに積まれたまま行き場を失っている汚染原油は推定1900万バレル、買い手にとっては12億ドル(約1300億円)がかかった問題だ。

欧州の石油精製企業の関係者によれば、買い手側はロシア側生産者に対して、原油の汚染除去のために銀行預金の形で保証金を拠出するか、今週までとなっている代金支払期限を今回の危機が解消されるまで先送りすることを望んでいるという。
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