2018年度の牛肉の自給率(重量ベース)が34・9%となり、過去2番目の低さだったことが日本農業新聞の調べで分かった。16年度以降は年に約2ポイント減と急落している。国内生産量は微増傾向にあるが、それ以上に輸入量の増え幅が大きいことが要因。大型貿易協定が相次ぎ発効する中で、低価格の輸入牛肉が国内シェアを高めている。

 農畜産業振興機構がまとめた生産量と輸入量を基に、本紙が自給率を試算した。18年度の自給率は前年度の36・6%から1・7ポイント下落。統計がある1960年度以降で過去最低だった2000年度の33・1%をわずかに上回る低水準。当時は牛肉自由化で関税が50%から38・5%まで段階的に下がったことが重なり、輸入量が急拡大した。

 18年度の輸入量は前年度比8・4%増の61万9686トン。3年連続でほぼ毎年約1割増え続けている。10年前と比べると32・0%(15万トン)増。安さに加え、現地で日本の消費者に合わせた品種の導入が広がり、販売を伸ばしている。

 国別では、オーストラリア産が15年の経済連携協定(EPA)発効による関税削減を機に増えている。18年度は31万トンで、発効前の14年度と比べると12・0%増。米国産も18年度は25万トンに達した。05年度以降で最多となった。

 一方、国内生産量も2年連続で増え、1・0%増の33万2856トン。伸びは小幅だが、JAの増頭対策や農家の規模拡大が奏功し、和牛を中心に増加傾向にある。その中で、輸入品に国内シェアが奪われている。

 豚肉の自給率は49・5%で、過去最低だった前年度(49%)から微増。国内生産量が0・8%増の89万7508トンと2年ぶりに増えたため。だが、2年連続で5割を下回り、過去2番目の低水準。輸入量は1・0%減の91万6172トンだった。

 政府は25年度の自給率を牛肉46%、豚肉58%とする目標を掲げている。



日本農業新聞 2019年05月27日
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