大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)が30日発表した2019年3月期の連結決算は純利益が340億円と、民営ベースに組み替えた前の期実績に比べ52%増えた。主力の鉄道事業が伸び、人件費や動力費の圧縮も寄与した。18年4月に民営化した大阪メトロにとって「着実な一歩」(河井英明社長)を踏み出した初年度になった。

売上高にあたる営業収益は1862億円と同2%増えた。鉄道事業では訪日客(インバウンド)の利用拡大や、駅構内で開いたコンサートなどによる集客効果も出た。駅ナカや地下街などリテール事業も好調だった。

20年3月期は営業収益が1876億円と前期比1%増える半面、純利益は256億円と25%減る見通しだ。安全性向上や事業多角化に関わる費用が膨らみ、民営化に伴う固定資産税負担も響く。河井氏は同日の記者会見で「今期は本格稼働の初年度で、取り組むべき課題は多い」と述べた。

2019/5/30 18:08 日本経済新聞
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