https://www.bbc.com/japanese/48659092

「有害な」男女のステレオタイプ描く広告、イギリスで禁止
2019年06月17日

イギリスの広告基準協議会(ASA)はこのほど、「深刻もしくは広範な被害」につながる可能性のある「性別にもとづく有害なステレオタイプ(世間的固定概念)」を使った広告を禁止した。一部のステレオタイプに基づく表現が、「人の可能性を狭める」一端を担いかねないとしている。

ASAの決定に伴い、イギリス国内の広告では今後、男性がくつろぐ間に女性が掃除していたり、男性がおむつ替えに失敗したりするなどのシナリオは使えなくなる。
ASAは昨年末にこの新規制を発表し、広告業者に6カ月の準備期間を与えていた。

ASAの広告基準はインターネット広告やソーシャルメディア上の広告にも適用されている。

ASAは先に広告における性別ステレオタイプについての審査を行ったところ、一部の有害なステレオタイプの描写は「子どもから大人まで、あらゆる人の選択肢や野心、機会を狭めるもので、一部の広告が性別に基づく不平等を助長している」ことが示唆されたという。

ASAのガイ・パーカー会長は、「調査の結果、広告内の有害な性別ステレオタイプが社会の不平等を助長し、皆がその影響を受けることが分かった。簡潔に言えば、広告の表現の一部が、長い年月をかけて人々の可能性を狭めてしまう可能性がある」と話した。

一方で、新規制は全ての性別にもとづくステレオタイプ表現を禁止しているわけではない。ASAは、予防すべき「一部の具体的な害」を特定することが目的だと説明している。

たとえば、女性が買い物をする様子や男性が日曜大工をする姿を描いても問題はない。また、性別ステレオタイプがもたらす負の影響を示すために、ステレオタイプを表現することも許容されている。
(リンク先に続きあり)

https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/16F69/production/_104775049_stereotypicalhousewifegetty.jpg