福岡県八女市黒木町笠原の自営業吉田雄一さん(42)が、親とはぐれた雄の赤ちゃんイノシシの世話を始めた。毎日、夕暮れ時に吉田さんと自宅近くを散歩し、すぐ後をトコトコと追い掛ける「うり坊」のかわいらしい姿が近所で評判になっている。

【動画】吉田さんの後をトコトコと追い掛ける「うり坊」
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うり坊は今月1日夕、飼い犬のタロが散歩中に山からくわえてきた。生後数日とみられ、寒さのためか震えていた。「親に置いていかれたのだろう」と吉田さん。「タロはニワトリに餌を分けてあげるほど優しい性格。『この子の面倒を見てやってくれ』という目を向けられ、山に返すわけにもいかなかった」

自宅に連れ帰り、飼育する子ヤギ用に冷凍していた牛の初乳を与え、ホットカーペットの上で温めると、うり坊は次第に回復。近隣住民から借りた哺乳瓶でミルクを飲ませるなどすると、パンやうどんを勢いよく食べるまでに元気を取り戻した。「襲われた」と思ったのか、最初はあまり近づかなかったタロとも、今ではじゃれあう仲だ。

吉田さんは、うり坊の餌にするため休耕田でサツマイモの栽培も始めた。「イノシシは害獣といわれているが、それは人間側の都合。亥(い)年でもあり、何かの縁。なんといってもかわいいでしょ」と頬を緩める。

イノシシは数年で100キロほどに成長する。手に負えなくなる前に、動物園など引き取り手を見つけるつもりというが、吉田さんは「しばらくは“子離れ”できません」。

6/20(木) 15:06
西日本新聞
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