総務省行政評価局は25日、日本の企業や大学で働く外国人と留学生375人を調査した結果、90.4%が生活環境の改善に「公的支援が必要」と回答したと発表した。住宅や医療の情報提供、行政サービスの多言語化などが上位。4月施行の改正入管難民法で外国人の就労拡大が見込まれる中、サポート充実が求められていることが改めて浮き彫りになった。

必要な具体的支援は複数回答で「外国人が借りられる住居の拡大や情報提供」が最も多く、63.7%。「外国人は借りられない物件が多く、見つけるのに約2カ月かかった」「日本語ができなくても家賃などが分かり、入居手続きが簡単にできる窓口があればいい」といった意見が聞かれた。

必要な支援の2位以下は「英語や母国語でも通える病院の拡大や情報提供」(44.0%)、「日本と母国の年金の接続」(43.7%)、「行政サービスの多言語化の推進」(33.0%)だった。

外国人を雇用している企業への調査では55社のうち38社(69.1%)が、公的支援が必要と答えた。行政サービスの多言語化を求める意見が多く「年金保険料の督促状など、役所が送付する文書は日本語のみで、外国人には容易に理解できない」との指摘が出た。

調査を踏まえ行政評価局は、外国人に直接対応する地方自治体の役割が重要と強調。総務省の関係部局や法務省に対し、先進事例を情報提供するなどの支援を求めた。

日本での生活環境は、調査した外国人の82.9%が「かなり満足」「やや満足」と答えた。治安の良さや健康保険の充実などが理由。支援が拡充すれば、さらに安心して暮らせそうだ。〔共同〕

2019/6/25 10:24
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46527860V20C19A6EAF000/