長崎県佐世保市の水族館に釣り人から寄贈され、公開されていた体長37センチ、重さ2キロ超の「巨大イセエビ」が、海に返されることになった。

 県の定める禁漁期間に釣り上げられたことが分かり、県と話し合って決めたという。

 イセエビは1日、長崎県・五島列島の岩場で佐賀県嬉野市の自営業男性(42)が釣り上げた。仲間の追悼釣り大会でアラを狙っていたなかで、まったく予想外の釣果。「故人が釣らせてくれたのかも」と考え、佐世保市の九十九島水族館海きららに寄贈を決めた。

海きららによると、巨大イセエビの体長は通常の1・5倍、重さは通常の7倍超。記録に残る過去最大のイセエビは三重県の鳥羽水族館にいた体長38・5センチ、重さ2・33キロで、それに匹敵するサイズだという。18日に公開を始めた。

 その後、イセエビが釣り上げられた時期について、県が資源保護のために定める禁漁期間(5月21日〜8月20日)に当たるのでは、との指摘が海きららに数件寄せられた。海きららは24日、県と相談し、釣り上げられた五島列島の海に28日、返すことにした。

 県の担当者は「日本最大級と聞き、認めてあげたい気持ちもあったが、例外は作りにくい」と話す。県の漁業調整規則では違反した場合の罰則を定めるが、それを科さない配慮をした、と説明する。

 海きららは「善意で寄贈していただいた。自分たちが認識不足だった。貴重な記録にはなった」とコメントした。

 夏休みに子どもたちに見てほしいとの思いもあった男性は「仕方ないとは思うんですけど……。育っていけば日本最大になる可能性もあったし、とにかく残念なことでした」と述べた。(原口晋也)

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