<参院選>投票依頼 ラインはOK、メールはNG ネット選挙運動
有権者ご注意を

 参院選が公示され、インターネット上でも政党や候補者の支持呼び掛けが
熱を帯びてきた。国政選挙では2013年の参院選から、インターネットでの
選挙運動が解禁された。候補者らの情報収集をしやすくなった一方、
一般有権者がネット上で候補者らへの支援を呼び掛ける際、気づかずに
違法行為をしかねないリスクもある。禁止される行為の線引きが曖昧なためだ。

 有権者は公示から投票日前日までの選挙期間中、LINE(ライン)や
ツイッター、フェイスブックなどのあらゆるSNSやブログ、動画サイトなどで、
特定の候補者への投票を呼び掛けることができる。候補者本人の文章や動画を、
ネット上で紹介することも可能だ。ツイッターのダイレクトメッセージなど
一般有権者が知人に「○○さんに投票して」と依頼することもできる。

 しかし、電子メールで支持を呼び掛けることができるのは政党と候補者だけ。
有権者には認められておらず、候補者や政党から受け取ったメールを、
知人に転送することもできない。

 総務省選挙課は、メールでの投票呼び掛けについて「なりすましの恐れが高い」と
説明するが、SNSの活用については、ネット選挙を普及させるため規制は
行わない方針だ。

 こうした分かりにくいルールを正そうと、超党派の国会議員でつくる
「若者政策推進議員連盟」は今年六月二十六日、有権者にも電子メールの
使用を認めるべきだとの提言を発表。次期国会の公選法改正案の提出を
目指している。

 議連の幹部議員は「なりすましの恐れはSNSにもあり、メールの使用を
禁じる理由にはならない。ルールを同じにすべきだ」と語った。

 公職選挙法はこのほか、十八歳未満の選挙運動を認めていない。
十七、十八歳が混在する高校三年生は、選挙期間中はライングループなどの
やりとりに注意が必要になる。候補者に関する虚偽の情報の拡散やなりすまし、
悪質な中傷は処罰対象となることもある。


東京新聞・大野暢子(2019年7月5日 13時51分)
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019070590135111.html
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2019070599135111.jpg