食べていけるほど稼げない者は、
学生時代にアルバイトで貯めた金を取り崩してねばるか、
親からの仕送りでとりあえず持たせる。

おわかりだろうか。

業界全体で、若者たちの貯金を、労働力を、親のスネをかじって、
1600万円ぶんを埋め合わせているのだ。

このしゃぶりとりに若者たちは疲弊していく。

だがそれがあらかじめ仕掛けられた労働搾取のメカニズムだとは気が付かない。
幼い頃に刷り込まれたアニメの夢に煽られて、
そして「腕を磨けばやがて幸せに生きていける」と経営側の人間や先輩たちからの
「援護砲撃」を受けて二〇三高地の坂を駆けあがっていく。

こうやって、挫折するまで存分にこき使われる。
挫折したらしたで自己責任論の罠が待ち構える。
「努力が足りなかったのだ」「才能がもともとなかったのだ」と。

離職率90%という異常な数字について、
「二年ではなく四年かそれ以上じっくり時間をかけて学校で育てて、
それから業界に進むようにすれば、挫折者はもっと減らせるのではないか」
と考える向きもあるかもしれない。

ありえない話だ。

挫折者がたくさん出るからこそ、
つまり労働力を貢ぐだけ貢いでくれたら
後は何も言わずこの世を去ってくれるあり,がたい兵隊が大勢いてこそ、
戦線を維持できるのだから。

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