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ビジネス
2019年8月13日 / 17:09 / 3時間前更新
人民元、現時点で適切な水準=中国人民銀行高官
Reuters Staff
[北京 13日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の朱雋国際局長は13日、ロイターとのインタビューで、人民元は現時点で適切な水準にあり、元の変動が資本フローの無秩序な動きにつながるとは限らないと述べた。

トランプ米大統領が1日に3000億ドル相当の中国製品に対し10%の制裁関税を9月1日から課すと発表してから元は対ドルで約2.4%下落した。

同局長は「現在の元相場の水準は中国経済のファンダメンタルズ、市場の需給と整合的だ」との認識を示した。

米財務省が先週、中国を為替操作国に認定したことはショックだったと発言。その一方で中国は、為替操作国認定に伴う「すべてのシナリオに対処」可能との認識を示した。


短期的には外的なショックは元相場に影響を及ぼすとしながらも、「元の変動が市場の需給に基づく秩序立ったものである限り、そうした動きは(上下)どちらの方向であっても資本フローの無秩序な動きにつながるとは限らない」と指摘した。

元相場の最近の荒い値動きは貿易摩擦の激化に対する正常な反応との見解を改めて示し、「そうした反応を抑制しようとするなら、それこそがまさしく為替操作だ」と述べた。

中国の底堅い経済ファンダメンタルズ、安定した債務比率、抑制された金融リスク、適正な規模の外貨準備、中国と主要先進国の金利差などが元相場を支えるとの見方を示した。

同局長は、中・長期的に元が「強い通貨」になると確信しているとも述べた。

中国国家開発銀行の総裁を務めた陳元氏は先週末開かれたフォーラムで「米国が中国を為替操作国に認定したのは、貿易戦争を金融戦争に発展させるための重大な行動だ」と述べ、米国の真の目的は中国の金融市場と経済を混乱させることだと断じた。