東條英機は東京裁判のときの尋問で統帥権について尋ねられたとき、「統帥権の独立は戦闘だけを考えていればよい、という場合に限りよい物である。
しかし、今日、戦争も政治の一部になっている現代の状況では、政治的に見て、統帥権の独立は一考を要する」と述べています。(裁判では強調したくないということを添えている)
 また、教誨師(きょうかいし)の花山信勝(はなやま しんしょう)師経由で残した遺言にも統帥権について述べており「統帥権独立の思想は間違っている。あれでは陸海軍一本の行動がとれない」と統帥権に苦しんだことを物語っています。

 戦後、日本は侵略国家で共同謀議の戦争犯罪があり、東條英機は独裁者だった、あの戦争は最初から無謀だったなどというデマが撒き散らされましたが、
統帥が独立していて共同謀議が成り立つわけがなく、独裁者がミッドウェーの敗北を知らないはずがありません。
あの戦争を反省するといってもデタラメの歴史を反省しても何の意味もなく、こうした統帥の問題や外交、戦略的国防などの観点で点検し、反省しなければ意味がないでしょう。