[エルサレム/キエフ 20日 ロイター] - ウクライナを訪問中だったイスラエルのネタニヤフ首相夫人サラさんが歓迎式典で、差し出されたパンのかけらを投げ捨てたように見えた問題で、両国の指導者らがサラさんを擁護した。

首相夫妻は2日間の公式訪問に当たってウクライナの空港に到着。 映像によると、夫妻は飛行機のタラップから降りたところを、伝統的な刺しゅうの入ったドレス姿の女性らに迎えられ、大きなパンの乗せられたトレイを差し出される。

首相はにっこり笑い、パンをちぎって口にした。その後、小さなかけらをちぎってサラ夫人に手渡すが、夫人はかけらをつまみ、ちらりと見てから捨てた。この一部始終は動画に捉えられていた。

この事件はウクライナで広く報道され、サラ夫人の敬意を欠く行動への怒りや、明白な誤解が誇張されないよう求める声など、さまざまな反応があった。

ウクライナでパンは命の象徴であり、伝統的な儀式に使用されるため、多くの同国民にとって神聖とも言える存在になっている。

ネタニヤフ首相はフェイスブックに動画を投稿し、この事件を一蹴。「私は歴史的訪問のため、このウクライナにいる。だが、もしパン事件がなかったら、今回の訪問でメディアの注目がこれほど高まったかどうかは疑わしい」と述べた。

さらに「ウクライナのゼレンスキー大統領の首席補佐官は、サラ夫人にウクライナを見下すつもりがなかったことは明らかであり、ナンセンスだと述べた」とも付け加えた。

イスラエルの閣僚は陸軍のラジオ局に対し、サラ夫人はパンを投げ捨てたのではなく、つまんでいたパンが砕けてしまっただけだと語った。

ネタニヤフ首相夫妻はイスラエルのメディアとの関係が悪化しており、自分たちに関する報道は不公平で否定的だと批判している。
https://jp.reuters.com/article/ukraine-israel-idJPKCN1VB08J
https://www.youtube.com/watch?v=wpYFsFrFDy0