地場産の煎茶使ったどら焼き、高校生が考案 甘さと苦み調和

 滋賀県の八幡商業高(近江八幡市宇津呂町)の家庭部員たちが、東近江市奥永源寺地域特産品の「政所(まんどころ)茶」を使ったどら焼きを考案した。茶の苦みをいかした品で、同部からレシピの提供を受けた道の駅「奥永源寺渓流の里」(同市蓼畑町)の飲食店が販売。部員たちは「地域の活性化に役立てばうれしい」と期待している。

 奥永源寺地域に室町時代から伝わる政所茶は、茶葉の多くが在来種で、農薬を使わず手作業で栽培されている。同部はクラブ活動の一環で、お菓子や軽食を作って校内で販売している。今年は、政所茶農家と交流のあった顧問の教諭(34)から提案があり、政所茶を使ったどら焼き作りに取り組んだ。

 部員約60人は4月から数カ月間かけて、材料の配合を見直したり、試食のアンケートを取ったりして試行錯誤を重ねた。どら焼きの白あんに政所茶の煎茶の粉末を練り込み、茶のほのかな苦みを楽しめる味わいに仕上げた。部員たちの活動を知った道の駅の飲食店「ふる里まなびや」が、製造販売に協力。6月23日に同道の駅で開かれたイベントでテスト販売したところ、約120個が完売。正式な商品化を決め、8月上旬から販売を始めた。

 部長の3年の女子生徒(17)は「お茶の苦さとあんの甘さのバランスを取るのに苦労したが、どんな年代の人でもおいしいと思ってもらえる味になった。政所茶に興味を持ってもらうことにもつながれば」と話す。

 150円。ふる里まなびやは午前11時〜午後5時。火曜休み。

考案したどら焼きを手にする八幡商業高の家庭部員たち(東近江市蓼畑町・道の駅「奥永源寺渓流の里」)
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2019年08月25日 12時00分  京都新聞