https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190829-00010012-reutv-int

ブラジル大統領、環境保護当局を意図的に弱体化 職員ら証言
8/29(木) 16:13配信

 火災がアマゾンの熱帯雨林を破壊し続け、国際的な批判が集まる中、ブラジルのボルソナロ大統領が熱帯雨林保護を担当する政府機関を意図的に弱体化させてきたことが、ロイターの取材で分かった。

 この機関、環境・再生可能天然資源院(イバマ)は同国の主要な環境関連の法執行機関だ。

 現在および過去の職員10人がロイターに対し、政権からいくつかの点で妨害されていると述べた。ブラジルの首都からジェイク・スプリング記者がリポートする。

 「大統領は選挙遊説以来、環境保護法の執行を非難してきた。環境保護活動家によると、これを受けて森林破壊活動家は勢いづいた。

 さらに、イバマの予算は25%削減され、環境関連の罰金は43%減額された。

 イバマ職員が解雇を恐れて匿名で語ったところでは、現政権下で規則があまりに強引に執行されることを懸念しているという」

 ルセフ元大統領が2010年代初め、環境法執行の責任を各州に負わせようとし、イバマは予算削減に直面。深刻なリセッションにより、予算はさらに削られた。

 その後、ボルソナロ氏は農業や産業界の支持者らに、イバマの統制を強めると約束しており、環境犯罪の取り締まりはかつてないほど厳しくなっている。

 「イバマ職員によると、4月以来、破壊的な伐採や採掘、環境犯罪を実行する機械を破壊することを事実上禁止されている。

 環境犯罪者を取り締まるエリート集団、GEFは今年、足止めされているというGEFは銃を持ってヘリコプターに飛び乗り、アマゾンの僻地で最も危険な環境犯罪者を阻止する。

 だがボルソナロ氏の大統領就任以来、イバマの執行部長は、彼らを現場に送る要請に同意することを拒否したという」

 熱帯雨林が燃えている映像が地球温暖化への影響について懸念を引き起こしており、同氏の環境政策はここ数日、厳しい目にさらされている。


 気候変動に懐疑的なボルソナロ氏は、政府を貶めるために環境団体が火をつけたと非難している。

 さらに、G7諸国が消火活動のため2000万ドルを拠出すると提案したのに対し、ボルソナロ氏は他国首脳らの懸念を「特権階級的」と一蹴。

 マクロン仏大統領に嘘つきと呼ばれたため、マクロン氏が「侮辱的な発言」を撤回すれば資金受け入れを検討すると表明した。

 ボルソナロ氏は前週末、マクロン夫人の容姿をあざけった。

 環境保護活動家によると、ブラジルの牧場経営者や農民はジャングルの上層部に故意に火をつけ、事業用地を拡大しようとしており、ボルソナロ氏の開発推進と規制反対の姿勢に勢いづいているという。