https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190911/k10012076211000.html

スタジアムでの女性のスポーツ観戦が禁止されているイランで、サッカーを観戦するため、
男性に変装して入場を試みて拘束された女性が、懲役刑になると聞かされた直後、焼身自殺したと、
国際的な人権団体が明らかにしました。

国際的な人権団体「アムネスティ・インターナショナル」によりますと、死亡したのは、イランの29歳の女性です。

この女性はことし3月、首都テヘランでサッカーを観戦するため、男性に変装してスタジアムへの入場を
試みたところ、女性だと発覚し、警察に拘束されたということです。

女性は、数日後に解放されたものの、今月になって裁判所から、「ヘジャブ」と呼ばれるスカーフを
公然と着用しなかったという罪で6か月の懲役となる見通しを聞かされた直後、裁判所の外で、
みずからガソリンをかぶって焼身自殺を図り、今月9日に死亡したということです。

理由は明らかになっていませんが、懲役刑になることにショックを受けたことが原因とみられています。

厳格なイスラム国家のイランでは、スタジアムでの女性のスポーツ観戦は、男性から危害を加えられる
おそれがあるなどとして、例外的な国際試合を除いて禁止されています。

アムネスティ・インターナショナルは、「女性のスポーツ観戦の禁止措置を速やかに撤廃すべきだ。
FIFA=国際サッカー連盟などは、女性たちが罪に問われることなくスポーツ観戦できるよう緊急に
行動を起こすべきだ」と指摘しています。