千葉県を直撃した台風15号によって、県内の観光業も大きな被害を受けている。

 建物の損壊や停電で営業が再開できない施設もある。今週末の3連休を前に、関係者は復旧作業に追われている。

 羊やカピバラなど18種類の動物とふれあえる富津市の「マザー牧場」。家族連れらに人気の観光地だが、台風の通過から1週間以上たっても、休業中で人影はほとんどなく、ひっそりとしたままだ。ガラスが割れたレストランなどにはシートがかけられ、18日も職員らが修理や点検に追われていた。

 台風の通過後、園内を確認した職員は「これはひどい……」と絶句したという。動物のショーが披露されるホールや売店は屋根や壁が吹き飛び、園内のいたるところにがれきが散乱。羊小屋も屋根が飛ばされ、約20匹の羊が雨ざらしになっていた。すぐに別の小屋に移したものの、水道が使えないため、タンクに入れた飲み水を車で運んで回った。約1200匹の動物に被害はなかったが、秋が見ごろのサルビアなど数万株の花は、台風の塩害や強風で全滅したという。

 停電は16日に復旧。固定電話はつながらない状況が続くが、3連休が始まる21日の営業再開を目指し、がれきの処理や動物の世話にあたっている。担当者は「経験したことのないような被害だった。職員総出で復旧に取り組んでいる」と話す。

2019年9月19日 7時30分
朝日新聞デジタル
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