https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50204210


ISはシリアで今後どうなる バグダディ容疑者の死亡
2019年10月28日


ドナルド・トランプ米大統領は、過激派勢力「イスラム国」(IS)の指導者、アブ・バクル・アル・バグダディ容疑者が米軍の作戦で死亡したと、大々的に発表した。イギリスの王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)の中東・北アフリカプログラム長、リナ・ハティブ氏が、今後の展望を説明する(文中敬称略)。


アブ・バクル・アル・バグダディが死亡したからといって、ISが自動的に終わるわけではない。ISが今後ただちにどうなるのかは、指導者がまだいるいないよりも、シリア国内の力関係次第だ。

バグダディはISにとって強力な道具だった。特に、いわゆる「国家」を再建しようとしていた最中には。カリフ国家を作ろうというのにカリフ(イスラム指導者)がいないなどあり得ないという考えから、ISはバグダディを分かりやすい組織の「顔」に据えることにした。世界各地に散らばる支持者のための看板だ。

ISはシリアとイラクで軍事的に敗北した。それでも、支持者たちはバグダディの存在に期待をかけ、いつの日かカリフのもとでイスラム帝国を復活させると希望を抱いた。バグダディの言葉は、たとえレトリックに過ぎなかったとしても、ISに同調する人たちを駆り立てた。シリアのアルホル・キャンプでIS戦闘員の妻たちから話を聞いた記者や援助職員も、バグダディの発言には確かにそうした影響力があったと指摘している。
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