https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191029-00000026-asahi-soci

「反移民」などを掲げる政治団体が愛知県の施設「ウィルあいち」(名古屋市東区)で開いた催しに対し、
ヘイトスピーチ(差別扇動表現)に反対してきた市民団体などが抗議した問題で、愛知県の大村秀章知事は
29日の記者会見で、催しでの展示内容はヘイトスピーチに当たるとして、当日に施設側が催しを
中止させなかった対応を「不適切だった」と述べた。

催しは「日本人のための芸術祭 あいちトリカエナハーレ2019『表現の自由展』」として、各地で差別街宣を繰り返してきた
「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の元会長が「党首」を務める政治団体が27日に開いたもの。

催しを見た人によると、展示作品には「犯罪はいつも朝鮮人」と書かれたカルタの読み札など在日コリアンへの憎悪を
あおる内容のものがあり、ウィルあいち側も展示内容を確認した。会見で大村氏は「内容からして明確にヘイトに当たると
言わざるを得ない」と指摘した。

ウィルあいちを含む県の各施設の利用要領には、「不当な差別的言動が行われるおそれ」がある場合には利用を
不許可とする条項がある。市民団体などが当日、施設側に中止を申し入れたが、施設側は「中止を判断できない」
として応じなかった。大村氏はこの対応について、「(展示内容が)分かった時点で中止を指示すべきだった」と述べた。

政治団体側は施設側の事前の確認に対し、「ヘイトスピーチは行わない」と答えたため、県は施設使用を許可していた。
大村氏は「法的手段が講じられるのかも含めて検討するよう指示した」とも話し、催しを開いた政治団体への法的措置も
視野に対応を考える方針も明らかにした。

一方、大村氏は「こういう活動をされる方々は故意にやってくる」と述べ、「どう防いでいくかは正直言って難しい課題で、
いろんな方から知恵を頂きたい」と求めた。


記者会見する愛知県の大村秀章知事=2019年10月29日午前10時8分、愛知県庁
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