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脳梗塞の再生医療へベンチャー設立 北大病院の川堀特任准教授ら 本人由来の幹細胞利用
11/09 17:54 更新


 重篤な脳梗塞の患者の脳に本人の骨髄から採取、培養した幹細胞を直接投与する新たな再生医療の実現を目指すベンチャー企業を、北大病院脳神経外科の川堀真人特任准教授らが設立した。半身不随となった患者を対象にした治験では、6人中5人が自力歩行できるまで回復したという。より詳細な治験を経て2026年の事業化を目指す。


 社名は「RAINBOW(レインボー)」(札幌)で新たな再生医療の事業化と治療法の普及拡大を図るため、今年8月に起業した。

 幹細胞は、体のさまざまな細胞に分化する。傷ついた脳に投与すると、過剰な炎症を抑えたり、新たな神経細胞に分化するなどの効果が動物実験で実証されている。

 国内では他人から採取、培養した幹細胞を静脈注射で脳に投与する治験が進んでいる。川堀さんらは本人由来の幹細胞は他人由来に比べ、拒否反応が起こりにくく、体内で長く生存できる点に着目。17年4月以降、日本で初めて脳梗塞患部周辺へ手術で幹細胞を直接移植する治験を重ねてきた。

 これまでに、治療法の安全性や少人数の患者で効果を確認。23年から数十人規模の治験を行うため、レインボー社を立ち上げた。

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